「疎遠だった親族の借金の請求書が来た!」   2017年7月7日
 貸金業者から、親族の借金を相続したとして請求書が届いて、びっくりして相談に来る方がいらっしゃいます。でも、どうして、知りもしない親族の借金の請求が届くのでしょうか。
①どうやって、金融業者は、住所や相続人を調査しているの?
 金融業者は、弁護士等に依頼して、債権回収のために、債務者の住所を調査することができます。そして、債務者が亡くなった場合には、その相続人を調査するため、相続人の戸籍や住民票を取得することができるのです。
②借金も相続するの?
 借金も相続します。亡くなった方に、目立った財産がないからといって、何もしなくてよいとは限らないのです。
③自分が、相続人なの?
 相続人の範囲は、意外と広いものです。まず、基本として、亡くなった方の配偶者が、相続人になります。加えて、亡くなった方の子が相続人になります。子がいなければ、亡くなった方の親が、相続人になります。親もいなければ、亡くなった方の兄弟が相続人になります。
つまり、子→親→兄弟の順です。配偶者は、いつも相続人です(なお、離婚していると相続はできません)。
 応用として、相続人になるべき方が、亡くなった方よりも、先に亡くなっていた場合、相続人になるべき方の子が、相続人になります(代襲相続といいます)。それ以外にも、細かい規定があって複雑な面があります。
 ④どうしたらいいの?
 借金を相続したくない場合には、相続放棄の手続きをする必要があります。金融業者に、相続はしませんと伝えるだけは、だめなのです。家庭裁判所で手続をする必要があります(料金は、諸費用込みで数千円程度です)。相続放棄は、原則、亡くなってから3か月以内に手続きをする必要があります。
 でも、そうすると、請求書が届いたときに3か月すぎていたら、どうしようもないように思えます。でも、諦める必要はありません。そもそも、亡くなったことを知らなかった場合や、亡くなったのは知っていても借金があるとは知らなかった場合には、請求書が来てから3か月以内にきちんと事情を説明して相続放棄をすれば、広く相続放棄が認められています。
 ⑤相続放棄をしたあとは?
 家庭裁判所で相続放棄の手続きをして、その結果を金融業者に伝えると、請求は止まります。でも、ひとつ注意点があります。相続放棄をすると、自分は相続人ではなかったことになります。つまり、死亡したのと同じような扱いになるのです。そのため、子→親→兄弟の順で、相続人が移転していきます。その結果、他の親族も相続放棄をしなければならなくなるのです。
 ⑥ご注意を!
 請求書が、いきなり届くとびっくりしますが、支払ってしまうと借金を認めたとして、相続放棄ができなくなる場合があります。金融業者に電話して聞いても、支払う義務がありますと言われます。たしかに、相続人ですと、法的には支払義務が生じるのです。相続放棄をすれば大丈夫ですが、金融業者は、そんなことは教えてくれません。
 混乱して1人で判断してしまうと、大変な結論になる場合があります。請求書が届きましたら、ご相談いただくこともよいかと思います。


 
 
 
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