不動産の評価額に争いがあるときはどうなる?   2014年4月1日
 不動産が関係する紛争、特に遺産分割事件では、遺産となっている不動産の評価に争いが生じることが多いです。
 その理由は、その不動産を取得したいと思う相続人は、その他の遺産も多く取得しようとして低く評価し、その不動産を取得したくないと思う相続人は、逆に高く評価しようとするからです。
 このように不動産の評価が争われる場合、やはり現時点においてそのものが持っている価値を基準とすべきですので、遺産分割の際は、原則として、時価評価によることになります。しかし、時価評価といっても、簡単で明確な評価は困難です。そこで、便宜上、公的な価格指標によったり、各相続人がお互いに数社の不動産業者による査定をもらって、その平均値をとったりするなどして、不動産の時価評価を行うことになります。
 ここで、公的な価格指標について少しご説明します。これには、3つの種類があります。
 一つは、「公示価格」と呼ばれるものです。これは、適正な地価が形成されることを目的として国(国土交通省)や都道府県の調査により出されるもので、土地取引の指標となっています。
 二つ目は、「相続税路線価」と呼ばれるものです。これは、相続税や贈与税の算定基準とするために、国税庁の調査により出される指標です。相続税路線価は、その言葉からも分かると思いますが、「路線」に対しての価格ですので、ある一定距離内の同一道路に面する土地の単価は基本的に同じになり、あとは位置や形状などによって補正されることになります。評価の基準としては、公示価格の8割を目処に計算されます。
 最後は、「固定資産税評価額」と呼ばれるものです。これは、固定資産税などの算定基準とするために、各市町村によって決定されるものです。土地の固定資産税評価額は、1平方メートルあたりの単価が示されるのみの公示価格や相続税路線価とは異なり、一筆ごとの総額が示されます。評価の基準としては、公示価格の7割を目処に計算されます。また、固定資産税評価額は、公示価格や相続税路線価と異なり、建物についても出されます。
 以上のように、公的な価格指標や簡易な査定により、不動産の評価を決めていくことになりますが、それでも相続人間で合意できないときには、不動産鑑定士による不動産鑑定評価を行うしかありません。しかし、不動産鑑定を行うには、日数や費用がそれなりにかかってしまいます。


 
 
 
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