刑事手続における身柄拘束について   2009年9月15日
著名人の逮捕・起訴が続き,巷を賑わせています。そこで,今回は刑事手続のうち,「逮捕」など身柄拘束について簡単にご説明したいと思います。

■市民の自由と逮捕
 現代の日本に在って,私たちは,原則として自分の自由な意思に従い,自由に行動することができます。他人の身体を不当に拘束することは,場合によっては,『刑法』上の「逮捕罪」や「監禁罪」などの犯罪にあたります。我々の自由な活動は,刑法によって裏側から守られているということもできるでしょう。
 ところが,世間では「逮捕」が頻発しています。どのような職業であれ,逮捕は平等に訪れるようです。では,これらの逮捕は,実はどれも許されなかったのでしょうか。そうではありません。『刑事訴訟法』という法律があり,その中に例外的に人を「逮捕」してよい場合があらかじめ定めてあるのです。ですから,多くの場合,「逮捕」は法律に従っており適法です(しかし,残念ながら適法でない逮捕も皆無ではありません。これを厳しくチェックするのが,弁護士の仕事の一つといえます)。

■拘置か拘留か勾留か?
 ところで,「逮捕」された人がその後「拘置」されたと報道されることもありますが,これは間違った言葉遣いです。刑事訴訟法上,「逮捕」の後に続く身柄拘束は,「勾留(こうりゅう)」と言います。「拘留」でもありません。「拘留」とは,刑罰としての身柄拘束のことを指す言葉となっています。一方,「勾留」とは,逮捕より長く,10日間続く身体拘束のことです。理由がある場合には,最大で10日間延長されることもあります。ニュースで「拘置期限迫る!」という場合,おそらく「勾留」の10日満期が到来しそうだ,ということなのだと思います。

■送検とは?
 そして,この「逮捕」や「勾留」といった期間中に,警察は取り調べをします。「検察」も取り調べをします。裁判にかけることを最終決定するのは,警察ではなく検察だからです。ここで,警察が事件を検察に送ることを,一般に「送検」と言っています。人も一緒に送れば「身柄送検」,逮捕はしていないので書面だけ送れば「書類送検」ということになります。

■終わりに
 冒頭で述べたとおり,人は原則として自由です。「逮捕」とは,例外的に人の身体を拘束するもので,実はただそれだけのものです。逮捕されても,容疑をかけられただけであり,直ちに犯罪者となるわけではありません。それこそ,違法な逮捕すらあるわけです。新聞報道等に触れる際は,一定の慎重さが求められると思われます。



 
 
 
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