さまざまな法的手続
2013年12月16日
1 はじめに
「貸したお金を返して欲しい」、「敷金を返して欲しい」、「損害賠償金を支払って欲しい」。話し合いでは解決しそうにないけど、金額が少ないので、弁護士にお願いするにも費用がかかってしまうし、とは言っても自分ひとりで裁判なんかやったことがないし。どうしたものか…
皆様もこのような経験をしたことがあるかもしれません。このような場合に、自分でもできる法的な手段の一つとして、支払督促、少額訴訟という手続があります。今回は、支払督促、少額訴訟について簡単にご説明したいと思います。
2 支払督促
支払督促とは、主に金銭の請求等について、書面による審査だけで、簡単かつ迅速に債務名義(判決と同じ効果があります)を取得できる手続を言います。この手続は相手方の住んでいる地域を管轄する簡易裁判所の書記官に申し立てることになります(申立の方法や書類の書き方については、裁判所のホームページをご参照ください)。お金を貸したことに争いはないが、なかなか払ってくれないという時など、この手続をすることで相手方からの支払いが一定程度期待できるという意味で有効な手段となります。しかしながら、相手方から異議が出されてしまうと、通常の裁判となってしまうので、注意が必要です。
3 少額訴訟
少額訴訟とは、比較的小規模な紛争について、金額に見合った時間と費用と労力で、効果的な解決を図ることができるように、原則として1回の審理で裁判官が判決するという手続です。60万円以下のお金の請求であれば原則として少額訴訟を利用することができます。この手続は相手方の住んでいる地域を管轄する簡易裁判所に申し立てることになります(管轄の詳細などは、裁判所ホームページも参照してください)。原則として1回の審理で終わることや裁判官が柔軟な解決を図ってくれるので、敷金の返還請求等で良く使われています。この手続についても、支払督促と同様に、相手方から少額訴訟ではなく通常の裁判にして欲しいとの申出があれば、通常の裁判となりますが、実際は少額訴訟で解決されることが多い気がします。
4 さいごに
いずれにしても、金額が少ないからといってすぐに諦めるのではなく、上記のような手続を検討してみるべきだと思います。このような場合には、一度、弁護士に相談してみることをお勧めします。
以上