交通事故(自転車)
2013年12月9日
今回は、交通事故といっても、自転車の運転者が加害者となる交通事故について、書きたいと思います。
自転車というと、少し前までは自動車が加害者となる交通事故の被害者というイメージが強いですが、最近は、自転車の運転者が加害者となるケースが増えています。自転車関連の交通事故は、全交通事故の約20%を占めており、そのうちの約15%の年間2万数千件が、自転車が加害者となる交通事故です。
また、自転車対自動車や自転車対二輪車の交通事故件数は、減少傾向にありますが、自転車対歩行者の交通事故件数は、平成13年が1807件だったのに対し、平成23年は2801件と、ここ10年で約1.5倍に増加しています。このような傾向から、通行帯やブレーキのない自転車に関し規制を強化するようになっています。
また、自動車と違い、自転車を運転する場合、事故を起こしたとしても大事にはならない、というような少し軽い気持ちを持っている方もおられるのではないでしょうか。
しかし、自転車で事故を起こした場合も、①刑事上の責任や②民事上の責任を問われます。①刑事上の責任になりますと、被害者が死傷した場合には、業務上過失致死傷罪が成立し、5年以下の懲役・禁錮又は100万円以下の罰金に処せられる可能性もあります(刑法211条1項前段)。
また、②民事上の責任では、被害者が死亡した場合や重大な障害が残った場合、5000万円以上の賠償金を支払わなければならないこともあります。
ただし、被害結果だけでなく、事故態様などにより賠償額は変わってきますし、また、事故後の初動を誤れば、被害者との関係がこじれるなど、紛争が長期化する可能性もあります。この点、弁護士にご相談いただければ、上記の点だけでなく、刑事上の手続に至るまでトータルなアドバイスをすることが可能です。被害者側でも、同じように、賠償額に関する問題や相手方が負う刑事上の責任に関するアドバイスを受けることで、交渉を円滑に進めることが可能となります。
そのため、交通事故の当事者となったときには、なるべく早く弁護士にご相談ください。