障害者虐待防止法が施行されました。
2013年11月1日
平成24年10月1日より、「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」、略して「障害者虐待防止法」が施行されました。
この法律は、虐待によって障害者の権利や尊厳が脅かされることを防いでいこう、障害者の安定した生活、社会参加をはかろう、ということを目的としています。そして、「何人も障害者に対し、虐待をしてはならない」として虐待が禁止され、「虐待を受けている障害者を発見した場合には速やかに市町村等に通報しなければならない」と、発見者の通報義務も定められています。
ただ、「障害者」って、誰を指すの?「虐待」ってどういうことをいうの?等と、法律の名称自体からも、いろいろ疑問がわいてきます。
まず、ここでいう「障害者」には、身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含みます)を持った方(障害者手帳がなくても構いません)、等が含まれます。
そして、虐待にあたる例としては、からだに傷や痛みを与えたり、正当な理由なく身動きが取れない状態にする「身体的虐待」、無理やりにわいせつなことをしたりさせたりする「性的虐待」、侮辱したり拒絶するような言葉や態度でいやな思いをさせる「心理的虐待」、食事や排せつなどの世話や介助をしないで心やからだを弱らせる「放棄・放任(ネグレクト、とも言います)」、本人の同意なくお金を使ってしまったり、理由なくお金を与えない「経済的虐待」などが挙げられます。
虐待かな、と思われるサインを見つけた場合には、各市町村の窓口にご相談されるとよいかと思います。
また、この法律のポイントとしては、障害者の生活の世話や金銭管理をする家族や同居人などの「養護者」への支援についても定められている点が挙げられると思います。
養護者自身に支援が必要なことも少なくありません。単に責めるだけでなく、養護者を含めて支援することで、根本的に虐待を防いでいくことが必要だということでしょう。
虐待問題は、法律があれば直ちに解決される、という訳ではありません。難しいことかもしれませんが、ひとりひとりが、小さなサインに気づくことができるよう、目配せをしていくことが大切なのだと思います。