ご利用は計画的に~過払金の動向~
2011年12月20日
テレビやラジオのCMを通じて,「過払金(かばらいきん)」という言葉はすっかり定着した感があります。ご承知のことと思いますが,過払金とは,サラ金などが授受していた金利が高過ぎて,実は利息を払いすぎていたため,後に交渉・訴訟をすることで戻ってくるお金のことです。そこで試しに手元の『新明解国語辞典(第6版)』を引いてみましたが,「過払い」について,「代金・給料などを払い過ぎること。」とありました。辞書には,まだ「利息を払い過ぎること。」とは記載されていないようです。
一方,辞書に載るまで過払金が残っているか,やや不安で微妙な状況になってきました。というのも,まず,平成22年9月,業界最大手・武富士が,東京地方裁判所に対し「会社更生法」の適用を申し立て,倒産状態に陥りました。会社更生とは,裁判所の手続を利用して会社を建て直そうとする法的制度のことです。破産とは異なり会社を残す制度ですが,法的には倒産の一種です。その一つの現れとして,武富士に対する過払金は,大幅にカットされると言われています。あくまで武富士側の説明によりますが,だいたい3.3パーセント程度にとどまるということです。
また,平成23年8月には,さまざまな経過を経て,SFコーポレーション(旧三和ファイナンス)もみずから破産を申し立てました。SFコーポレーションは,「資金がない」として,訴訟になってもすみやかな過払金返還には応じていなかった会社です。弁護士としては,「資金がない」という説明を受けても,法的に請求できる金額があるわけですから,これまで確実な回収に努力してきました。
しかし,実際に各会社が破産となると,過払金の回収率は0に近づく可能性がとても高いと言わざるを得ません。過払金が回収できるかどうか,できるとしてどの程度の見込みか。相手方の会社によっても事情は異なります。
いま確かに言えることは,ご相談頂くとすれば早いほうがよいということです。多くの事務所が,借金に関する相談について相談料無料で対応しています。ぜひ,お早めにお近くの弁護士にご相談頂ければと思います。