ヤミ金について
2011年10月25日
ヤミ金というと、どのようなイメージを持たれるでしょうか。
ヤミ金とは、法律で決められた利息の上限を(大抵は大幅に)オーバーしてお金を貸す業者のことをいいます。
法律で決められた利息の上限は年15~20%ですが、ヤミ金の利息は数百パーセントから、時には数千パーセントにもなります。一回数万円借りただけでも、一生かかっても返しきれない利息が発生し続けるのです。
そんな高い利息を払ってまでお金を借りる人がいるのか、と疑問を持たれるかもしれません。
しかし、すでに大きな借金をかかえ、銀行や正規の登録をしているサラ金からはお金が借りられない人や、破産をしたばかりの人(破産をするとしばらくはまともな業者からは借金ができなくなります)など、ヤミ金からしかお金を借りられない人が、ついつい手を出してしまうのです。
ヤミ金から一度お金を借りてしまうと、非常に悪質でしつこい督促がすぐに始まります。相手の言うとおりに返済ができないと、借りた本人だけではなく、職場、家族、近所など、様々な関係者にまで取り立てを行います。取り立ての態様はとても厳しく、精神的に参ってしまう人もいます。
ヤミ金の背景には暴力団がおり、ヤミ金の撲滅のために政府は力を注いでいますが、依然としてヤミ金は社会に存在し続けています。
その理由の1つは、ヤミ金からお金を借りる人が絶えないことです。最近は、総量規制によって、正規の金融業者からは年収の3分の1までしか借金ができなくなり、やむなくヤミ金に手を出すケースもあるようです。
もう1つの理由は、ヤミ金にお金を返す人が絶えないことです。最低でも元金と少々の利息さえ回収できれば、ヤミ金の息の根は止まりません。
ヤミ金からお金を借りた人が相談に来た場合、私たち弁護士は、「今からは絶対に1円も返してはいけません」と強くアドバイスします。そして、ヤミ金業者に連絡をして、今後は一切返済をしないことを伝え、取り立てをやめるようにと忠告します。相手からは、せめて元金だけでも返せと言われますが、ヤミ金のように法外な利息でお金を貸すという契約は、社会のルール(法律)からあまりにも外れているので、そのような契約は無効とされ、元金さえも返す必要がないのです。
現実には、弁護士が間に入っても、ヤミ金業者は簡単には引き下がらず、本人の気が滅入るような厳しい取り立てを繰り返すことがありますが、それも一過的なものですので、しばらく我慢していれば必ず止まります。相手の目的はお金ですから、どんなに脅してもお金を払ってもらえないと分からせれば、すぐ次のターゲットに移っていくのです。
とはいえ、一人でヤミ金に立ち向かうことは決して簡単ではありません。家族や友人、また弁護士や行政の方々が、取り立てが終息するまでは近くでサポートする必要があります。
ヤミ金が取り立てをすることは罰則付きで禁止されているので、警察に相談することも有効です。
ヤミ金を野放しにしている限り、被害は増え続けます。ヤミ金で苦しんでいる人がいましたら、必ず弁護士に相談して下さい。