消費者問題 -バーチャル・オフィス-
2011年5月2日
消費者被害を引き起こす詐欺業者は、消費者を騙すためのテクニックを、いろいろ考えます。
最近見られるテクニックのひとつ、「バーチャルオフィス」の利用をご紹介しましょう。
バーチャルオフィスとは、実体のないオフィスのこと。もともとはSOHOなどで活用されるサービスで、実際に入居していない住所・電話番号を会社の住所として表示して、そこに来た郵便は転送、かかってきた電話にはオペレーターが対応します。つまり、そこに行ってみても、実物の「オフィス」はないのです。
なぜ悪徳業者がこのサービスを利用するのか?人の心理としては、業者の名刺や封筒にたとえば「千代田区丸の内…○○ビル」とあると、それだけで一見、すごい会社、信用できる会社のように見えてしまいますよね。詐欺業者はその誤解を巧みに利用して、詐欺商法を展開します。というわけで、これは私見ですが、バーチャルオフィス悪用には、何らかの規制を考える必要があるように思います。
さて、バーチャルオフィスなどというものは、数年前はありませんでした(多分)。世の中には新しいサービスが続々と生まれ、消費者被害の世界でも、次々に新しい「騙しのテクニック」が生まれてきます。私たち弁護士もそれについていくのは大変ですが、個別ケースでは日々勉強をしてそれになんとか対応し、被害回復を図っています。 そしてまた、私たちは、弁護士会などを通じて、そのようなテクニックを規制し、次の被害を防ぐための活動も行っています。
皆様には、新聞、ニュースなどを通じて、そのような弁護士の活動にも目を向けていただければと思います。