相続について
2009年10月15日
1.身近になった相続争い
従前、日本的「順風美俗」のためか一部都会的現象と見られていた遺産争いも、時代と共に事件数が増え、とりわけバブルによる不動産価格の急騰に伴い、兄弟達が親の財産を巡って争うことがごく普通になってきた。積極財産だけでなく、消極財産も相続するから、借金がある親の場合、放棄しないと借金を背負うことになる。市民にとって「相続」はいよいよ身近なものになっている。
2.相続の放棄、承認
放棄の申述は相続開始を知ってから「3ヶ月以内」だが、伸長ができる(民法915条)。相続する意志が外形的に表れていると認められる場合、単純承認したものとみなされる(921条)。プラス財産の範囲内でマイナス財産を引き継ぐ限定承認もできる(922条)。
3.遺言、遺留分
被相続人による遺言があれば、それにより相続財産の帰属が決まる。遺留分の侵害があれば兄弟姉妹以外の相続人は遺留分減殺請求ができる。
(1028条)。
4.遺産の分割
原則として相続人全員の協議により決める。協議が出来ないときは家庭裁判所の調停・審判により決める。
5.専門家のアドバイス
相続税、贈与税、財産税等が問題となることがしばしばある。税理士、弁護士等専門家の知恵が問題の効果的解決に役立つことが少なくない。