「家事全般」 ~前編~
2009年6月17日
今回は、家族や親族間での問題という身近なことなのにどうすればよいかよくわからないという家事事件について書きたいと思います。
■はじめに
家族や親族間での問題の中には、①相手方のない問題と②相手方との間での争いのある問題があります。
例えば、①後見人の選任や相続の放棄、②離婚や遺産分割に関する処分なのです。
①については、家庭裁判所でその決定をしてもらう申立てをすることができ、②については、まず調停をし、それでも関係の調整ができなかった場合は、審判や裁判で解決を図ることができます。
抽象的でわかりにくかったかもしれませんので、以下2号にわたり具体的に書いていきます。
■夫婦関係・親子関係
家族のことで裁判所にお世話になるというと「離婚」など何かネガティブなイメージをお持ちになるかもしれません。しかし、家族関係を調整、整理することで、よりよい関係を築いていくこともできます。
夫婦関係・親子関係のことで相手方と争いがある場合、まずは家庭裁判所で調停をしなければなりません。
調停とは、裁判官と一般市民から選ばれた調停委員や専門知識を有する調停委員が、当事者の言い分を聞き、法律的な評価を元に、両当事者の歩み寄りを促し、当事者の合意によって紛争解決を図るものです。例えば、夫婦仲を改善もしくは解消するための夫婦関係調整、親子関係を作る養子縁組、自分で育てていない子どもと定期的に会う方法を模索する面接交渉など、人間関係を構築していくものがあります。
また、婚姻費用の分担、離婚の際の財産分与、年金分割、養育費など、金銭的なことを調整することもできます。
これらの調停は弁護士が入ることなく自分一人で利用することもできます。もちろん、複雑な案件や一人で不安な場合、DV事案等、ご依頼があれば弁護士が入ることもできます。
調停がうまくいかなかった場合は、裁判所が合意に代わる審判をしたり、裁判をすることになります。