いよいよ裁判員制度が始まります
2009年5月10日
今月21日から、いよいよ裁判員制度がスタートし、同日以降に起訴された対象事件について、裁判員裁判が行われることになります。多摩地域の対象事件は、年間約50件だと言われています。
■裁判員になるまで
まず、各地方裁判所管内の市町村の選挙管理委員会が、くじで選んで名簿を作成します。この名簿に基づいて、各地方裁判所が、翌年の裁判員候補者名簿を作成し、名簿登載者に翌1年間は名簿に載ることを通知します。
そして、起訴された対象事件ごとに、名簿登載者の中から、くじで裁判員候補者が選ばれ、質問票を同封した呼出状が送られます。裁判員候補者は質問票を返送することになりますが、質問票の記載のみから辞退事由が認められない限り、選任手続の日に裁判所へ行かなければなりません。
選任手続当日、裁判長は、候補者に対して質問をし、不公平な裁判をするおそれがある者などについて不選任とする手続などを行います。そして、不選任とされなかった者の中から、くじで裁判員が選ばれることになるのです。
■裁判員に選ばれたら
裁判員になると、事件の公判期日に立会わなければなりません。
その後、裁判官及び他の裁判員と評議を行うことになり、その中で、被告人が有罪か無罪か、有罪ならどれくらいの刑にするのかを決めることになります。
また、裁判員には、評議で誰がどんな意見を述べていたかなどについての守秘義務があり、違反すれば刑罰が科せられることもあります。
■最後に
一生で裁判員になる確率はおよそ60人に1人といわれています。これは、かなり高い確率だといえるでしょう。
したがって、犯罪の発生という事実報道に目を向けるだけではなく、罪を犯したとされる人が、どのような手続を経て、起訴され、有罪となり、そして刑罰を科せられるのかという刑事司法の流れにも注目していただければと思います。国民が関心を持つことで、日本の刑事司法はより良い方向へと向かっていくでしょう。